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人間の・静かな・大地

yezofield.exblog.jp

ボーダーラインのないボーダーランドにて

母の語ったこと。 1

後日 時系列に可能であれば整理します。

・・・・・・最初から、あそこ(浦士別)に住んだの?
「いや。白石だか...?琴似だか...。」

・・・・・・黙って住んでいれば、また札幌に家を買って住むことも無かったのに。ソンなほうソンなほうに行く癖あるよねぇ。土地もだいぶ資産価値が上がっただろうし。だって、タダで入植したひとに配っていたって読んだよ。本を読んだらそう書いてある。実際はどんな感じだったの?
「...」
「とにかく、お母さんが子供だった時に、古い知り合いだった人が訪ねてきてあんたがたのおじいちゃんと喋ってたのを聞いてて覚えているんだけど、『最初 ”じゃりっぱ”ってとこに上がった』って。」

・・・・・・ふうん 誰だったんだろう。じゃりっぱって、海岸縁なら砂利のある浜もあるだろうしねぇ。いくらでも。
「誰かわからないけれども、古い知り合いみたいだったね。ずっと一晩中喋っていた。」

・・・・・・みんなで北海道に来たのは何年ごろ?
「明治19年。」

・・・・・・おじいちゃんはどこで生まれたの?
「ええと、そこでいまの中学生くらいの齢(とし)にはなったわけだから。それはもうなんにも無いけど自然は有って、川の傍で、あらっぽい遊びで一日暮らして、ある時なんて、筏を浮かべて、どんどん流されて帰れなくなったこともあったとか...危ないよねぇ。」

・・・・・・豊平川だね。
「うん。そうだろうね。」

「ほら、映画の、『お登勢』。同じ経緯だよ。あれの題材がそのままだって。」

「一回事件のようなことがあって、その後、家が真っ二つに割れて、その後にもう一つ事件が起きて、家族全部がこっち(北海道)にき来たってこと。」

「こっちに来た先祖の、ちょんまげを結った写真があるよ。奥のほうにしまってあるから、今度来たとき見せてあげるから。」

「一度玲子がお金をかけて調べたって言っていた。色んなことが分かったらしいよ。」

「下っ端の武士の端くれだったんじゃない?」




by tupkamui | 2017-12-20 14:13

by tupkamui